本記事では、英文契約書内での助動詞の使い方を簡単にまとめます。
本記事の内容は「翻訳に必要な7つのカード」において、「専門分野の知識」にあたります。
英文契約書における助動詞
一般的な文書とは異なり、英文契約書には特殊なルールや特徴があります。
たとえば、英米法の口頭証拠排除原則により契約書記載の内容以外は裁判で採用されないため、誰が読んでも誤解しないように助動詞ひとつとっても独特かつ正確な用法が求められます。
そしてこれが、英文契約書では曖昧な表現になりうるwouldやcould、shouldが使われない理由です。
今回は、英文契約書でよく使われる助動詞を以下にまとめてみました。

米印に関してですが、「義務」に関してはmustよりshallが好まれます。
また、「権利」に関しては、mayの使用を避けてbe entitled toなどで表現することが多いです。
英文契約書では、誤解を生まぬようにひとつの助動詞の持つ意味を少なくするように工夫する必要があるわけです。
以上です。
上記のように、英文契約書では助動詞の使い方にも特殊なルールがありました。
私も契約書の翻訳を校閲する際は、一般的なビジネス関連文書を見るときとは頭を切り替えて助動詞を処理しています。
「英文契約書ではcanやwillは使われるの?」という疑問もわくかと思いますが、経験上あまり使われないように思ったので今回は省略してしまいました。
網羅的に契約書の翻訳を学びたい方には下記の書籍をおすすめしておきます。
参考文献
1.基礎からわかる英文契約書(大変わかりやすく契約書翻訳の独学1冊目にぴったりです)
2.英文契約書の基礎知識
3.英文契約書の読み方
本日も最後までお読みいただきどうもありがとうございました。
皆さんの向上を心から願っております。
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