軽い運動は、精神安定剤と同じような効果を持っています。
これは、うつや不安障害に悩まされている方にとっては嬉しい事実です。
薬の副作用や費用のことを考えると、やはり精神障害はできるかぎり薬に頼らず自力で治した方がよいからです。
本記事では、軽い運動がうつや不安障害に効く理由からその具体的な方法まで記載していきます。
軽い運動とは
この記事内の「軽い運動」とは、15分から30分のウォーキングやジョギング、サイクリング、水泳、エアロビクス、ウエイトトレーニングなどのエクササイズのことです。自分の好きな運動を選ぶことができます。
軽い運動の効果
次に、軽い運動がうつや不安障害に与える効果を以下に列挙します。
研究結果などの裏付けは、本記事最下部の参考資料を参照してください。
1. うつや不安障害の発生を抑える
2. 毎日経験するうつや不安障害の程度を著しく緩和する
3. うつや不安が深刻な場合にも医師の処方する治療の効果を高める
4. ストレスや不安に襲われる傾向が少なくなる
5. ストレスへの抵抗性を高める
6. 不安発生のベースラインを下げる
7. 身体機能や外見の向上
(身体がよりよく動くようになったり、身体が引き締まってスマートに見えるとうつや不安障害の方に足りない自尊心が向上する)
軽い運動がうつや不安に効く理由
また、軽い運動がうつや不安に効く理由には以下の4つの説や理論が唱えられています。
1. エンドルフィン説
軽い運動によって脳内に快楽物質のエンドルフィン類が放出され気分が改善される
2. モノアミン説
軽い運動によってノルアドレナリン(興奮作用)、セロトニン(幸福作用)、ドーパミン(快感作用)といったモノアミンが放出され気分が改善される。
3. 気晴らし効果
軽い運動中は運動に集中するため嫌なことを忘れることができ、不安が減少する。また、軽い運動を終えたあとは達成感や自信を得ることができる。
4. 発熱理論
軽い運動により体温があがると身体的な緊張が低下し不安が減少する
うつ・不安に最適な運動の種類は?
研究では最適な運動の種類は決定されていないのですが、以下のような共通点があります。
これさえ守っていれば、抗うつ効果が期待できる運動といえます。
①腕、脚、胴などの大きな筋肉を使うこと
②繰り返しのリズム運動であること
最適な運動の頻度は?
最適な運動の頻度は、研究で「週3回」と示されています。
多すぎても少なすぎてもだめなようで、多すぎると逆にストレスになるので注意してください。
反対に身体がくたびれない程度なら週3回以上行っても大丈夫です。
最適な運動の強度は?
運動強度に関係なく、しっかり運動を行えばうつ・不安障害は改善します。
あまり強度が強いとストレスになるので、軽度または中程度の運動が推奨されています。
つまり、息切れすることなく会話ができる程度の運動を目指します。
最適な運動の時間は?
15分から30分の運動でも、うつ・不安障害に効果があります。
これは抗うつ効果が発揮される最短の時間なので、もっと時間を取って運動しても構わないとのことです。
運動の効果はいつ現れる?
うつ症状に対しては8週間から10週間以上経過してから効果は表れます。
一方で不安障害に対しては応急処置としてすぐに効果があり、4時間から6時間続きます。
まとめ ー軽い運動がうつ・不安障害に効くー
上記の内容をまとめると以下のようになります。
15分から30分の自分の好みの軽い運動を週3回、8週間以上継続することで、うつや不安感は軽減される。不安に対しては応急処置にもなる。
健康的な生活を目指して日々頑張っている方もいると思いますが、日常の中に軽い運動を取り入れることをおすすめします。
私は、呼吸が苦しくなったときに音楽を聴きながらウォーキングをしています。
リズムよく歩くことで嫌なことを忘れることができ、気が付くと気分が前向きになり呼吸の苦しさがなくなっています。
軽い運動の応急処置の効果はすさまじいものだと実感しています。
長期間続けたときの効果がどれほどかまだわかりませんが、これからも軽い運動を続けていきたいと思います。
参考文献
うつ・ストレス・不安には「軽い運動」2006,生田哲
以上です。
お忙しい中最後までお読みくださりどうもありがとうございました。
皆さんの心とからだの健康を願って。
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