英語の冠詞の使い分けをネイティブの4つのイメージで理解する

➀原文を読む力
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翻訳校閲者の Yuji です。

本日は英語の名詞のお話しです。

お仕事で英語の校閲をしていますと、よく次のような名詞の問題に直面します。

英語の名詞問題

  • a+名詞でいくのか、それとも複数形でいくべきか (a man or men)
  • theは付けるべきか (the man)
  • 可算名詞だけど無冠詞でいいのか(a man vs man)

ある名詞に対して「the」を付けるべきか、「a」でいくのか複数形でいくべきなのか、それとも無冠詞でいいのか、気になって調べ出すと時間がかかって仕方がありません。インターネット上には確からしい答えも見つかりません。

本日は、この英語の「物体に対する意識」とも言える「a、複数形、the、無冠詞」の使い方を、英語ネイティブの4つのイメージを用いてご説明します。

この4つのイメージを理解すれば、もやもやしている名詞の「a、複数形、the、無冠詞」の使い分けがうまくできるようになると思います。

それではさっそくいきましょう!

英語の冠詞(a、the、無冠詞)と複数形について

まず日本語と英語の違いという観点から、冠詞と複数形について説明しておきます。

日本語の「彼はペンを持っている。」と英語の「He has a pen」を比較すると、すぐに日本語には「a」にあたる部分がないことに気づきます。この「a」は何を意味するのでしょうか。

英語の「a」は文法用語としては「冠詞(名詞の前に付いて、その名詞を説明するもの)」の仲間です。この冠詞には、以下の3つがあります。

3種類の冠詞

  • a/an(不定冠詞)
  • the(定冠詞)
  • 無冠詞


これに加えて、 英語の名詞について議論する場合は 「複数形」についても考慮する必要があるので、合計「4種類」の記号が出てきます。この記号は物体を説明するのに欠かせないものです。

英語で物体を表現する4種類の記号

  • a/an
  • the
  • 無冠詞
  • 複数形

私たちは英語で文章を書いたり、話したりするときにこの4種類の記号をうまく使い分けなければなりません。そしてこれらと同等の記号は日本語には存在しないので大変理解しにくいものです。

英語の冠詞&複数形に対する4つのイメージ

では、どのようにそれぞれの冠詞と複数形を使い分ければよいのでしょうか。

答えは、ネイティブの持つイメージを理解することです。イメージを理解すれば、その感覚を持ってネイティブと同じように瞬時に使えるようになります。

では早速、冠詞と複数形が持つ4つのイメージを以下に示します。(頑張って描いてみました)

そして、今回は「man(男)」という名詞を具体例に、この4つのイメージについて順番にご説明します。

「a」のイメージ:物体のリンカクを表現

「a」を口に出した瞬間に、ネイティブならば話者も聴者も頭の中で何らかの物体のリンカクを描きます

説明のために英語ネイティブが「a」を発するときの思考の順序を考えてみます。

例えば、「There is a man on the street(道路に男がいる).」と言いたいとき、ネイティブの思考回路では、まず道路上に形(リンカク)のある物体を認識し、「a…a…a..」と口に出してその物体のリンカクを描きます。

そしてそれが男だったことを認識した後で、「a man」とそのリンカクに男の像を当てはめるわけです。そうして、a manは「(1人の)男」の意味を指すことになります。

「a」が1つを表すのはこのリンカクを描く効果があるからなのです。ちなみに物体が「1つ」ということを数字的に強調したい場合は「one」を使います。

表したい物体を特定するより先に、数への意識が先行して、物体のリンカクが「a」として表現されるのが英語の思考回路なのです。日本語にはない数への意識がうかがえます。

「無冠詞」のイメージ:リンカクの無い概念を表現

では、もしこのリンカクを表現する「a」を「man」の前で言わないとしたら、英語の意味はどうなってしまうのでしょうか。

「a」を言わないとリンカクが描かれないので、図1の左から3番目の画像(リンカクがない)のように、名詞の「man」は「概念としての男」=「人類そのもの」という意味になります。

つまり、無冠詞はリンカクでは描けない何らかの概念を導くわけです。

例を挙げるとすれば、抽象名詞と言われてる「love(愛)」はもともとリンカクで描けないから、「a love」とはならないということもわかってきます。

純粋不可算名詞 である「information」とか「furniture」も、もともとリンカクがイメージできないから「a」を付けないともわかります。

ちなみに、抽象名詞のloveに「a」を付与することで、loveにリンカクができ「ひとりの恋人」という意味になるらしいです。これもまた面白いですね。英語の数への意識と自由度に驚きます。

「複数形」のイメージ:多くの物体を表現

また、もし表現したい内容が「複数の男」だったならば、複数の物体にはリンカクを描けないので、「a」は不要になります。無冠詞では「概念」になってしまうので、便利な複数形に変え「men」と表現することになります。

「the」のイメージ:特定のアイデンティティーを表現

最後に、「the」は何を意味しているのかですが、「the」は物体に、特定のアイデンティティーを付与します

学校で規則として学んだ「一度話題に出ている物体にはtheを付ける。」がわかりやすい例かと思います。一度話題にあがったことで、その物体がその話題の中では話者と聴者の中で「あの物体」という同じ認識の物体というアイデンティティーを持つから「the」を付けます。

他の例としては、日本は「Japan」なのに、イギリスやアメリカは「The UK」や「The USA」と表現しなければならない理由です。これは、イギリスやアメリカは各国や州が集合しひとつのグループを作っていて、国の連合という強力なアイデンティティーを持ったことでtheを付けていると言えます。

まとめ

a/an ・・・物体のリンカクを表現→同じ物が複数ある中の1つ
無冠詞・・・物体のリンカクが表現できない→物体の概念
the ・・・物体にアイデンティテーを付与→他のものと区別/話して同士の了解
複数形・・・いっぱいあって物体のリンカク表現できない→複数

確認問題

次の和文を英訳せよ。

問題文:ゴリラは百獣の王である。

正解の例:
The gorilla is the king of beasts.
A gorilla is the king of beasts.
Gorillas are the king of beasts.

上記の3つの回答はすべて正解と言えます。以下で、なぜそうなるか解説していきます。

解説

➀ The gorilla
「the」には他と区別する力(アイデンティテーを与える)があります。 よって、このケースでは、The gorillaの意味は、「他にも色々な強い動物(例えば、ライオン)がいるけど、それらと区別して唯一のゴリラ」といったニュアンスを出せます。

② A gorilla
A gorillaのニュアンスは、複数いるゴリラの中から採り出して、リンカクを描いた一匹のゴリラです。イメージは、サンプリング調査です。ジャングルからゴリラを一匹もってきて、ゴリラという動物の性質を淡々と表現しています。

③ Gorillas
複数形のGorillasの場合は、「すべてのゴリラをまとめて」といったいわゆる総称形のイメージが強く出ます。

このように➀、②、③には、「他と区別したゴリラを説明する」のか、「頭の中で一匹のゴリラを描いて説明する」のか、「すべてのゴリラをまとめて説明する」のかの違いはありますが、すべて「ゴリラは百獣の王」という意味を説明できています

でも、状況や表現したいニュアンスによっては➀が正しかったり②が間違ってたりするんじゃないの?という声が聞こえます。これについては、またいつか議論したいと思います。

後記

これで「a、the、無冠詞、複数形」のネイティブの持つイメージの説明は以上です。
いろいろなケースにこのイメージを当てはめて理解を深めていただければ幸いです。

この記事は以下の書籍の内容をもとに書きました。冠詞について詳しく知りたい方はぜひ手に取って見てください。

お忙しい中お読みくださりどうもありがとうございました。
この記事がどなたかのためになれば幸いです。

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