社内の翻訳校閲のお仕事は、プロの翻訳者(社内・フリーランス問わず)になりたいけど、翻訳の仕事の経験がないという人にすすめたい職業です。
本日は、 プロの翻訳者を経験なしから目指す上で、なぜ社内の翻訳校閲のお仕事が良いのかを説明していきます。
私は社内の翻訳校閲者として約3年間働いておりますが、この記事は「社内の翻訳校閲やっててよかった」と業務中に感じた実体験をもとに作成しています。
また、ここでは「翻訳校閲者」と言っていますが、「翻訳校正者」または「翻訳チェッカー」とも呼ばれています。
注記1:翻訳校閲の仕事の難易度は会社や分野によって異なりますが、ほとんどの場合にプロの翻訳者と同等の力を求められるので、十分な翻訳の力をもった方に「すすめ」ています。
注記2:翻訳者になるための道はいくつもありますので、あくまで一つの参考として捉えてください。この記事は新しい視点を与えるに過ぎないものです。
社内の翻訳校閲のお仕事とは
はじめに簡単に翻訳校閲のお仕事について説明しておきます。
翻訳の校閲とは、 翻訳者の納品した翻訳の品質を、顧客が満足する水準まで、改善(校閲)するお仕事です。納品された翻訳文を確認して、誤訳、訳抜け、一貫性等を正しく修正します (詳しくはこちらの記事をどうぞ) 。
また、翻訳校閲者のお給料は250万から700万と会社や翻訳内容または経験によって大幅に変動しますが、350万から500万程度が一般的に思います(2019年7月現在のオンラインリサーチに基づく)。
お給料をいただける翻訳学校
プロの翻訳者を経験なしから目指す上で、なぜ社内の翻訳校閲のお仕事が良いのかをひとつずつ説明していきます。私は「お給料をいただける翻訳学校」だと思い、すべての利害関係者に感謝しながらお仕事をしています。
1. プロの翻訳者さんの翻訳を見ることができる
翻訳校閲の業務では、翻訳者さんの納品した翻訳を確認することになります。そして、この翻訳者さんは「プロの翻訳者」と言えます。なぜなら、社内の厳しいトライアル(翻訳課題)を合格された翻訳者さんだからです。
社内の校閲業務では、そんなプロの翻訳者さんの素晴らしい翻訳技術を業務を通して学ぶことができます。
注記:実際のところプロばかりではないことも多いかもしれません。苦労します。
2. 社内の先輩から教わることができる
会社にもよりますが、社内には先輩の校閲者がいます。例えば、翻訳の方法やCATツールの使い方など何か不安なことがあれば先輩に聞くことができます。ひとりでは中々たどり着くことのできない答えを先輩はすぐに教えてくれたりします。成長の効率と、不安の解消という面で、最強です。
注記:もちろん、他力本願ではいけませんよ。自分でしっかりと調べたうえで、質問をしなければなりません。
3. 翻訳業界の基準を知ることができる
社内で校閲のお仕事をしていると、 翻訳業界のさまざまな基準を知ることができる。
例えば、翻訳者さんの基準がわかります。必ず翻訳者さんの質を評価する機会があります。良い翻訳者さんは何ができていて、悪い翻訳者さんは何ができていないのか、翻訳会社からの視点を知ることができます。これは将来自分がフリーランスになって会社に雇われる際に、とても重要な指標になります。
4. 翻訳の最新の情報を得ることができる
社内ではいろいろな部署の方が情報を提供してくれます。例えば、機械翻訳の現状はどうなっているのかなど、なかなか知ることのできない最新情報を得ることができます。これは、これからフリーランスで生計を上手に立てていくための知識となります。
5. 安定した給料
これは明白なことです。フリーランスでは最初は給料が安定しなく不安です。とくにゼロからフリーランス翻訳者を始める場合はかなり厳しくなるかと思います。社内翻訳者は一定の給料を得ることができるので、そのような不安は一切ありません。そして、精神的な余裕が翻訳の勉強をよりいっそう向上させます。
6. 最後は、会社が安定的な取引相手になる
これは絶対にそうなるとは言えませんが、何年か社内の校閲者として働き、ある程度の信頼を得たうえでフリーランスに転向するとします。その際に、働いていた会社が取引相手になってくれることがあります。これも、生計を立てていく上でメリットとなります。
以上です。本日は社内の翻訳校閲者の魅力をご説明しました。実際にどのようにすれば社内の校閲者になれるのかは、またいつかお話ししたいと思います。
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