みなさん、こんにちは。
本日は、読みやすい日本語の語順についてお話しします。
翻訳校閲のお仕事をしていると、翻訳は正確なのになんだかスラスラと頭に入ってこない訳文に出会います。そして多くの場合「語順がおかしい」ことに気づきます。
語順がおかしい、と思った場合どのように修正すればいいのでしょうか。
今回は語順に関する修正の方法をお伝えします。
語順の修正方法:長い修飾語を前、短い修飾語を後に配置する
結論から申し上げますと、「長い修飾語」を「前」に配置して「短い修飾語」を「後」に配置すれば、高確率で文章として正確かつ読みやすくなります。
ここでいう「長い」と「短い」というのは、「文字数」のことです。文字数が長い修飾語は前に置いて、短い修飾語は後に置くと良いというわけです。
以下に修飾語の違う3つの文があります。すべての修飾語は「翻訳する」にかかっています。
➀正確に翻訳する
②原文をしっかり読んで翻訳する
③速く翻訳する
そして、この3つの文をランダムに繋げてみます。
どの文が一番読みやすいか、一緒に考えてみてください。
例文:
1. 正確に原文をしっかり読んで速く翻訳する
2. 正確に速く原文をしっかり読んで翻訳する
3. 原文をしっかり読んで正確に速く翻訳する
4. 原文をしっかり読んで速く正確に翻訳する
5. 速く正確に原文をしっかり読んで翻訳する
6. 速く原文をしっかり読んで正確に翻訳する
どうでしょうか。長い修飾語である「原文をしっかり読んで」が前に配置されている 3 と 4 以外、誤解を生みそうではないでしょうか。
なぜなら、短い修飾語が前に配置されている 1、2、5、6 の場合ですと、「正確に」と「速く」が「原文をしっかり読んで」の動詞である「読んで」にかかってしまうことも考えられるからです。
さらに、3 と 4 を比較してみると 4 が一番読みやすいように感じます。実際、「正確に」と「速く」を比較すると「正確に」の方が文字数が長いので、こちらを前に置いた方が良いことになります。
4. 原文をしっかり読んで正確に速く翻訳する
うーん、これが一番読みやすいし誤解を生まないですね。
まとめ
わかりにくい一文に出会ったなら、「長い修飾語を前に」「短い修飾語を後に」配置することを検討してみてください。
多くの場合で、その文のわかりやすさや読みやすさが上がるかと思います。
参考文献
こちらの記事は以下の書籍をもとに作成しています。
お忙しい中お読みいただきありがとうございました。
この文章がどなたかの役に立ちましたら幸いです。
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