先日、少し前から話題の『こども六法』を読みました。
内容はもちろんですが、制作の経緯を含めてすばらしい本だと感じましたので紹介させてください。
『こども六法』とは
こども六法とは、日本の法律が子供向けにわかりやすく翻訳されている本です。この本が対象とするのは商法を除いた六法+その他子供のためになる法律(少年法等)です。
制作された理由がすばらしく、著者の山崎さんは、「子どもの未来が一層豊かで、安全で、快適なものとなることを祈り 」制作したとおっしゃっています。
以下は公式サイトに掲載されている説明です。
こども六法は、大人でも難解な法律をイラストつきで、誰でも楽しんで読めるように書き直したものです。
こども六法【公式】<子ども向けの法律書ー日本>より
子どものときから、やってはいけないことの線引きをきちんと理解すること。また、もし自分が犯罪の被害にあってしまったら、現状を正しく理解し、適切な対応が取れるようにという願いで制作されました。
この本を通じて正しい法知識を身につけたり、いざという時に自分で自分の身を守る手段として、ぜひ活用して下さい。
この本に込められたメッセージですが、とても前向きで力強さを感じます。私は将来生まれてくる子供を守るため、そして自分のためにも購入しました。
ちなみに第7章の「いじめ防止対策推進法」に関しては公式サイトで無料公開されていますので、ぜひ読んでみてください。いじめ問題ともう一度しっかり向き合うことができます。
『こども六法』の良いところレビュー
さて、この本の良いところをいくつかあげていきます。
まずは読者となる子供への配慮についてです。
『こども六法』の子供への配慮
『こども六法』は、子供向けに書かれていますが、その配慮がすばらしいです。以下のような点に細部まで気をつけて制作されています。
- かわいらしい動物のイラスト付きで子供が楽しく学べる
- 難しい用語にはわかりやすい説明がついている
- 1つの項目あたり数ページの構成になっていてさくさく読める
- 子供に重要な条文が抜粋されているので実用的
- 最後にはいじめに悩んでいる子供が取るべき対策や連絡先も詳細に書かれている
大人も子供も学べる法律本
また、『こども六法』は「大人も子供も学べる」法律の本です。
大人も学べる情報量
子供向けに書かれているとは言え、A5判、200ページ近くのしっかりとした情報量です。また、大学教授や弁護士といった法律に詳しい監修者の方々が付いているのでその内容は信頼できます。大人向けのあとがきがあることも注目できます。
例えば、大人でも次のようなことを学ぶことができます。
- 6つの刑罰(死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料)の意味
- 執行猶予の意味
- 終身刑と無期懲役の違いは
- 共同正犯・教唆・幇助とは
- 公務執行妨害の意味
- 失火の意味
- 裁判で嘘をついたらどうなるのか
- 刑事訴訟法と刑法の違い
- 親告罪とは
このようによく耳にするけど詳しい意味は知らない法律用語を学ぶことができます。また、「憲法とは何か」、「民法とは何か」などを一言で簡単に説明できるようになります。
日本の法律を広く学べますが、商法がまるごと含まれていなかったりするので、詳しく学びたいという方は他の方法で勉強する必要はあります。
子供が今日から使える実用的な本
子供の視点では、今日から学校や家庭で使えるほど実用的な内容になっています。
例えば、子供は自分で以下のような状況に対して解決策を発見できるようになります。
- 友達が石をなげてきた
- 親がしっかりと育ててくれない
- 先輩が嫌なことをさせてきた
- 友達がひどいことを言ったり馬鹿にしてきた
- 「死ね」と言われて傷ついた
- ひどいウソの噂を流された
- 先生がいじめに気付いているのに何もしてくれない
また、親は、子供がこのような理不尽で危険な状況に置かれていた場合、法律の力で子供を守ることができるようになります。
『こども六法』は本ではない、闇を照らす光の盾だ
ここまでで紹介したように、『こども六法』には日本の大切な法律がわかりやすく書かれています。
この本を読むことで、子供はやってはいけないこととやっていいことの線引きが上手にできるようになります。「これはやってはいけない、なぜなら刑法〇〇条で××と書かれているから」と、法律に基づいた正しい判断ができるようになります。
そして、大人は大切な人を守ることができるようになります。他の人がしてはいけないことをやっていたら、法による制裁を与えることも考慮することができるようになります。暴力やいじめを見かけたら、「法の下に罰を与えることもできるよ」と抵抗できます。
『こども六法』のもうひとつのメッセージ
最後になりますが、この本が暗に伝えていることは、「私たちは他人に迷惑をかけなければ、自由に楽しく生きていいということ」だと思います。
『こども六法』のすべてのページに目を通すと、あたりまえのことではありますが「理不尽に個人の自由を縛る法律」がないことに気が付きます。なにかと圧力や規制の厳しいこの日本社会でこの本が教えてくれることは、「みんなの幸せを頭の片隅に入れておくだけで、それ以外はそんなに自分を縛らなくてもいいよ」という温かなメッセージなのかもしれません。
自分や家族の誰かがふさぎこんで暗がりに身を置いてしまったときは、この本を読んでみたり、読ませてみてください。人によっては日本社会は少しストレスが多く、生きにくいと感じることがあるかもしれませんが、その社会を作る日本の法律はあんがい易しくて優しいものだと気が付くことができます。
この本は、暗闇を照らす光の盾のようだと思いました。
『こども六法』で、法律の知識で、大切な家族の幸せを守っていきたいです。
参考資料
(1)こども六法公式サイト
(2)こども六法、山崎聡一郎
以上です。お忙しいなか最後まで読んでいただきどうもありがとうございました。
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