本日は、「読点の打ち方」についてご紹介します。
読点の打ち方に厳密なルールはないのですが、私が学んだ基本的な法則をご紹介します。
まずは読点の簡単な説明からいきますね。
読点は、文を止める「ブレーキ」
読点は「文章の流れを止めるブレーキ」です。打てばそこに一瞬の静寂が生まれます。
ブレーキなので、当然打ち過ぎると文章の流れが悪くなります。

明白な、こと、ですが、 打ち過ぎると、読みにくく、なります。
反対に、効果的に打てば「文の論理構造をはっきりとさせて、読み手の誤読を防ぐ」ことができます。
よって、わかりやすい文章を書くには必須の記号といえます。
そして、次に説明する「読点の打ち方の二大原則」を守れば効果的に打つことができます。
読点の打ち方の二大原則
この原則は、「<新版>日本語の作文技術(本多勝一著)」で説明されていたものです。
「読点の使い方っていろいろあるけど、この二大原則で(ほぼ)カバーできるよね」といった包括的な法則になっています。
私は普段は特に気にすることなく読点を使っていますが、複雑な構文を校正する際はこの原則に返るようにしています。
第一法則(長い修飾語の原則):長い修飾語が二つ以上あるとき、その境界線で読点を打つ(重文も含む)
まず「修飾語」についてですが、これは「他の文節を説明する文節」です。
ひとつの文は、幹となる「主語」と「述語」に、色を与えるべく「修飾語」という花が生えて完成するイメージです。 主語と述語は必須ですが、修飾語がなければ無味乾燥な文が出来上がってしまいます。
例えば以下の文を見てください。
例:あの少年は退屈だったので、可愛い犬と遊んでいる。
主語は「少年は」で、述語は「遊んでいる」です。この主語にくっついてる「あの」と、述語にくっついている「可愛い犬と」が修飾語です。このように他の文節を説明していれば、それは修飾語です。
そして読点の第一法則として、この修飾語の感覚的に長く、二つ以上ある場合にはその境界で読点を打ちます。これを行うと論理構造がわかりやすくなります。例えば以下の文を見てください。
長い修飾語二つの場合の例:
あの大柄で不愛想な少年が、触れるだけで癒されそうな可愛い犬を私のところに連れてきた。
もし読点を打たなかったら、文章の書き手である「私」が癒されそうなのではなく、「少年が触れるだけで癒される」という誤読が生まれてしまいます。
ちなみにこの原則は、主語と述語を二つ並べた重文の場合も適用されます。
重文の例:
私は泣いて、君は笑った。
次に第二法則です。
第二法則(逆順の法則):語順が逆順の場合に読点を打つ
この逆順の意味は、「基本的な書き方とは逆」という意味です。例えば基本的な書き方に反しているものは、「倒置法」です。
倒置法の例:
本当に好きなんだ、君のことが。
この倒置法では「君のことが本当に好きなんだ。」という基本形を崩し、逆順になっているので読点を打っています。
その他は、強調の読点
上記の第二原則にあてはまらない読点は、「筆者の自由」で打たれたもので、「強調」のためであることが多いようです。以下の例を見てください。
強調の読点:
しかし、人生最大の告白は失敗に終わった。
この「しかし」の後の読点は、「しかし」の逆接の意味合いを強調するためのものです。強調したくない場合はなくても構わないのです。
まとめ
読点の打ち方は以下の三つに集約できます。
➀ 長い修飾語が二つ以上あるとき、その境界線で打つ
② 語順が逆順の場合に打つ
③ 書き手の自由で「強調」のために打つ
参考文献
こちらの記事は以下の書籍をもとに作成しています。
お忙しい中お読みいただきありがとうございました。
この文章がどなたかの役に立ちましたら幸いです。
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