機械翻訳ポストエディット(MTPE)の現状

翻訳
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先日、みらい翻訳さんのお試し機械翻訳を試してみました。TOEIC 960点レベルの翻訳エンジンと謳っているだけあり、その精度に驚きました。

最新のニューラル機械翻訳の精度と実務翻訳業界のMTPEへのニーズの高まりから、これから本当に機械翻訳+ポストエディット(MTPE)の時代が来るんだなと実感しました。

今回は私の経験も踏まえて、ポストエディットについて少しまとめておきたいと思います。

ポストエディットとは

機械翻訳のポストエディットとは、「原文を機械翻訳した後(ポスト)に、修正(エディット)すること」です。

現在、翻訳業界(主に実務翻訳)では従来の「人出翻訳」工程がこの「機械翻訳ポストエディット」に取って代わろうとしています。

よって翻訳者という仕事が減り、ポストエディターという仕事が増加する可能性があるわけです。

ニューラル機械翻訳のおかげ

なぜ、このMTPEという仕事が生まれたのでしょうか。それはニューラル機械翻訳(NMT)のおかげです。

NMT技術により、機械翻訳の精度がグッと増加し「人手翻訳」に近づきました。

そしてNMTによる翻訳の出力結果を見た翻訳会社が、「ゼロから翻訳しなくても、機械翻訳を少し修正するだけでいけそうじゃん」と感じ、この新しいポストエディットという仕事が生まれました。

もし機械翻訳の精度が悪ければ、一から翻訳し直す必要があり、結局「翻訳工程」と同じになってしまいます。

NMT以前にも様々な機械翻訳の技術がありましたが、現在は少しずつ翻訳市場から姿を消しています。

コストと時間を削減したい

翻訳会社やそのクライアントは、この機械翻訳の技術を使い、人出翻訳にかかるコストと時間を削減しようと思っています。

別の視点から考えると、グローバル化が進んだので機械翻訳技術が必要になってきているとも言えます。年々、多言語翻訳やローカリゼーション翻訳の需要が増加しています。そして超スピード化社会による翻訳納期の短縮化もあります。翻訳業界の情勢による翻訳者不足と短納期の両方の問題を解決するには、機械翻訳しかないのかもしれません。

ただ、やはり機械翻訳の技術にはまだ欠陥があり、エラーを起こしてしまうため、ポストエディットという人手を要する工程を設置しています。

当然のことですが、このまま機械翻訳の精度が高くなっていけばポストエディットする量もどんどん減っていきます。

翻訳者の視点でMTPEを見る

翻訳会社やクライアントが、MTPEから翻訳の費用と納期を削減できるという素晴らしい恩恵を得られるのは、ほぼ確実でしょう。

しかし、その削減されたお金と時間は、翻訳者さんがポストエディターとして働きMTPEを実施した結果です。

当然、MTPEではこれまでの翻訳と案件と比べると、ワード数あたりのお支払いは減少します。翻訳会社にもよりますが、25%程度以上は減少するかと思います。

この先NMTの精度がどこまで上がるのかはわかりませんが、多くの翻訳者がMTPEを引き受けなければ生計を立てることが難しくなる世界も想定できます。

そのような世界では、実務翻訳者が生計を立てるにはMTPE案件を効率よくこなしていくしかないのかもしれません。

ポストエディターとして働く前に

実務翻訳のなかでもマニュアル案件や技術文書など、機械翻訳の精度が高くでる分野では、従来の翻訳者という仕事形態は減り、MTPEのお仕事が増えていくことになります。

これからポストエディターへの求人がどんどん増え、よし、ポストエディターになろうと思う人が多く出てくると思いますが、注意していただきたいことがあります。それは、ポストエディットは翻訳とは全く異なるお仕事だということです。

翻訳が上手な人が、ポストエディットを上手にできるとは限りません。なぜなら、ポストエディットには、翻訳+校閲のスキルが必要だからです。

もちろん翻訳の技術も求められますが、がっつり翻訳するのはMTの質が悪く、リライトしなければならない場合です。その他はMTの質がまあまあで、誤訳や訳抜けを修正する校閲のスキルが大事になっていきます。

というわけで、翻訳者とポストエディターは似て非なるものだと理解して、求人に応募していただきたいです。

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